ローウェル(James Russell Lowell)(読み)ろーうぇる(英語表記)James Russell Lowell

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ローウェル(James Russell Lowell)
ろーうぇる
James Russell Lowell
(1819―1891)

アメリカの詩人、批評家、外交官。マサチューセッツ州有数の名門の出身。ハーバード大学卒業。奴隷解放を唱える詩人であった夫人マリア・ホワイトMaria Whiteの影響で、人道主義的改革運動にもかかわった。ヤンキー方言を用い奴隷制や戦争を批判した詩集『ビグロー・ペーパーズ』(第一集1848、第二集1867)、韻文で自己も含め同朋(どうほう)作家を揶揄(やゆ)した『批評家のための寓話(ぐうわ)』(1848)など機知に富む作品が多い。夫人の死後(1853)保守的になり、ロングフェローの後を襲い、母校で近代語講座を担当(1855~1872)、雑誌編集にも従事、いわゆるヨーロッパ風の教養を身につけた「お上品な伝統」の代表格となる。スペイン、イギリス公使も務めた。

[池田孝一]

『志賀勝訳『世界詩人全集 第三巻』(1953・河出書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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