二十五三昧式(読み)にじゅうござんまいしき

改訂新版 世界大百科事典 「二十五三昧式」の意味・わかりやすい解説

二十五三昧式 (にじゅうござんまいしき)

《横川首楞厳院(よかわしゆりようごんいん)二十五三昧式》ともいう。源信撰と伝えるが不明。986年(寛和2)源信を指導者として比叡山横川首楞厳院で結成した念仏者集団二十五三昧会のために作成されたもの。結成後に同志慶滋保胤(よししげのやすたね)が《二十五三昧起請》を起草し,988年(永延2)源信が作成した《定起請》と内容的にもつらなり,《往生要集》とも深くかかわっている。本文は三つの部分に分けられるが,当初の形は明らかでない。冒頭に表白・根本結衆二十五人連署発願文があり,結集は互いに善友となり,心をひとつにして死にいたるまで助け合って念仏し,毎月15日の夕に念仏三昧を修して臨終正念往生極楽を祈る。式はまず《阿弥陀経》誦出の後六道の相を述べ,各段ごとに念仏と竜樹の《十二礼》2節を唱えて回向する形式で,二十五三昧会の浄土行の具体的内容を示すものとして,《二十五三昧起請》とともにのちの念仏者集団の規範となっている。
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