再生サイクル(読み)さいせいサイクル(英語表記)regenerative cycle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「再生サイクル」の意味・わかりやすい解説

再生サイクル
さいせいサイクル
regenerative cycle

蒸気タービンで,膨張途中から蒸気の一部を数回にわたって抽出し,復水器からボイラへ送られる給水を加熱するサイクルランキンサイクルでは蒸気の受ける熱量に比して,復水器に捨てる熱量の割合が大きいが,再生サイクルでは復水器に捨てる熱量を少くし,その一部で給水加熱を行うので,熱効率が増加する。その効果は高温高圧蒸気を使用するほど大きいので,このサイクルは一般に大容量の蒸気原動所において用いられる。抽気段数は普通5~9段までが広く用いられ,大型高圧タービンでは 14段のものもある。

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世界大百科事典(旧版)内の再生サイクルの言及

【蒸気原動所】より

…これを再熱サイクルと呼び,熱効率ももとのランキンサイクルより改善される。またタービン内で膨張中の蒸気の一部を抽出して,ボイラーの給水の加熱を行わせるものは再生サイクルと呼ばれ,もとのランキンサイクルに比べて,復水器に捨てる熱量をボイラーで受ける熱量に対して相対的により少なくでき,熱効率を高めることができる。
[蒸気原動所の例]
 以上の説明からわかるとおり,蒸気原動所は非常に大がかりな熱機関であって,大出力に適しており,火力発電所によって代表される。…

※「再生サイクル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」