労働模範(読み)ろうどうもはん(英語表記)láo dòng mó fàn

改訂新版 世界大百科事典 「労働模範」の意味・わかりやすい解説

労働模範 (ろうどうもはん)
láo dòng mó fàn

中国で各分野において,生産や技術開発に顕著な成績を収めた者に労働模範という称号を与えている。1940年代生産増強のため,ソ連スタハーノフ運動にならって延安解放区から始まった。成績がとくに顕著な者は全国労働模範といい,それ以下のものは省・市・自治区や企業単位でこの称号が与えられる。労働模範は各分野のモデルとしての機能をもつ。したがって,各時期・時代の要求反映したモデルが選ばれる。農業面で労働模範の中のモデルをみると,延安時代は富農呉満有,土地改革直後は農村の組織化に取り組んだ李順達,また個人農で篤農陳永康,1955,56年の合作社化時代は苦しい農民たちを合作社化に導いた王国藩,1960年代は国際的孤立化で国に依存せず村の建設を指導した陳永貴などの選ばれ方に時代の反映がみえる。労働模範には物的な優遇措置がある。労働保養地利用とか退職後の年金保証が一般労働者よりはるかによい。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android