女子・女(読み)おなご

精選版 日本国語大辞典 「女子・女」の意味・読み・例文・類語

おな‐ご をな‥【女子・女】

〘名〙 (「おんなご(女子)」の変化した語)
① 女の子供。おんなのこ。女児
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)八「童男(どうなん)(〈注〉おのこご)・童女(ドウニョ)(〈注〉オナコ)の身をもて得度すへきものには」
② おんな。婦人。女性
※玉塵抄(1563)一二「鄭の国のをなこみこが壺子にまみえたぞ」
※浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)中「第一おなごのたしなみは殿御(とのご)もってが大事ぞや」
③ 召し使いの女。下女。下婢。
※浮世草子・好色一代男(1682)七「高島屋の女子(オナゴ)に呼懸られて、何の用かと見かへれば」
④ (大黒舞の数え歌の文句「五ついつもの如くに」とある「如」の偏「女」を符丁に使ったもの) 明治時代、呉服商人の間で五の数を表わすのに用いた隠語。ごとく。→大黒符牒(だいこくふちょう)
[語誌]女性の一般称は現在オンナであるが、オンナとオナゴの新古関係については、文献語源からすると、オンナやその原形としてのオミナの方が古く奈良時代から見られ、オンナゴから転じたオナゴの形は室町時代から現われる。後から生まれたオナゴが、その後勢力を拡大してオンナを圧倒していった。しかし、現在では逆にオンナが共通語形になり、オナゴは全国的に女性の卑称として残るという傾向が見られる。

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