妹背山(奈良県)(読み)いもせやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「妹背山(奈良県)」の意味・わかりやすい解説

妹背山(奈良県)
いもせやま

奈良県中部、吉野川を挟んで相対する右岸の妹山(いもやま)(260メートル)と左岸の背山(せやま)(272メートル)の総称。吉野町に属す。両山は吉野川の侵食によって切り離されたと考えられ、背は夫、妹は妻を意味し、浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎(かぶき)の『妹背山婦女庭訓(おんなていきん)』で知られる。妹山にはツルマンリョウルリミノキテンダイウヤクなど暖地性植物の群生がみられ、妹山樹叢(じゅそう)として国の天然記念物に指定されている。その南西麓(ろく)に大名持神社(おおなもちじんじゃ)があり、神山とされたため、原始林の林相を現在に保つことができた。

[菊地一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android