山川の(読み)ヤマガワノ

デジタル大辞泉 「山川の」の意味・読み・例文・類語

やまがわ‐の〔やまがは‐〕【山川の】

[枕]
山川の流れは激しい意から、「たぎつ」「はやし」にかかる。
「―たぎつ心を」〈・二四三二〉
山川の流れる音が高いところから、「おと」にかかる。
「―音にのみ聞く」〈古今・雑下〉
山川の流れの意から、「ながれ」「ながる」にかかる。
「―流れての名を包み果てずは」〈夕霧

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「山川の」の意味・読み・例文・類語

やまがわ‐の やまがは‥【山川の】

① 山の川は流れの速いところから、「早し」「たぎつ」にかかる。
万葉(8C後)一一・二四三二「言(こと)に出でて言はばゆゆしみ山川之(やまがはの)たぎつ心を塞(せ)かへたりけり
② 山の川は流れの音の高いところから、「音」にかかる。
※古今(905‐914)雑下・一〇〇〇「山川の音にのみ聞くももしきを身をはやながら見るよしもがな〈伊勢〉」
③ 山の川の流れの意で、伝わる、伝統などの意の「流る」「流れ」にかかる。
源氏(1001‐14頃)夕霧「せくからに浅さぞ見えむやま河の流れての名を包みはてずは」

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