しん【晉】
[二] 中国の王朝名。山西省汾水
(ふんすい)流域に拠った周代の侯国。都は絳(山西省翼城県南西)。紀元前七世紀前半から強盛となり、山西の大半と河南北部を支配した。文公のとき
中原の
覇者となり、楚と対立したが、のちに韓氏・趙氏・魏氏の三家に分割されて衰え、紀元前三七六年に滅びた。
[三] 中国の王朝名(
二六五‐四二〇)。三国の魏に代わり、二六五年に権臣司馬炎(武帝)が建てた国。
西晉と呼ばれる。都は
洛陽。二八〇年、呉を併せて天下を統一したが、八王の乱と呼ばれる宗室間の紛争が起こり、折から強盛となった
匈奴の劉曜らによって、三一六年に滅ぼされた。翌三一七年、
王族の
司馬睿(しばえい)(元帝)が建業(
南京)で即位し、東晉の時代となる。しかし、
国力は弱く、四二〇年、将軍の
劉裕(宋の武帝)に滅ぼされた。
すすむ‐しん【晉】
(「晉」に「進む」の意があるところから) 中国の
古代の
国名「晉」を「秦
(はたしん)」と区別していう語。〔
随筆・夏山雑談(1741)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報