月居城(読み)つきおれじょう

日本の城がわかる事典 「月居城」の解説

つきおれじょう【月居城】

茨城県久慈郡大子町にあった中世の山城(やまじろ)。佐竹氏支族の北酒出一族である袋田氏が応永年間(1394~1427年)に築いた城が起源ともいわれているが、その築城年代は明らかではない。その後、袋田氏の断絶に伴い廃城となった。この城のあった一帯(依上保)は、のちに佐竹家の分家の山入氏の支配下に入るが、山入一揆の乱の混乱に乗じた白河結城氏に横領され、約40年間白河領となった。佐竹家当主の佐竹義舜は山入一揆の乱終結後、これを奪還して月居城を再興し、佐竹領の北の防衛の拠点として家臣を配した。1567年(永禄10)には佐竹義重から、城周辺の領地を与えられた野内隼人の城となったが、1602年(慶長7)、佐竹氏が秋田へ国替えになった際に廃城になった。城主の野内氏も出羽大館に移封となったが、野内氏の子孫は1828年(文政11)、藩主の佐竹氏に願い出て月居氏を称した。現在、城跡には曲輪(くるわ)の遺構が残っている。JR水郡線袋田駅より徒歩約40分(登城・登山口まで)。◇袋田城とも呼ばれる。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報