デジタル大辞泉 「断絶」の意味・読み・例文・類語 だん‐ぜつ【断絶】 [名](スル)1 続いてきたもの、受け継がれてきたものが、絶えること。廃絶すること。「家が断絶する」2 結びつきや関係が、切れること。また、関係などをたちきること。「世代の断絶」「国交を断絶する」3 まったくなくしてしまうこと。根絶すること。「悪弊を断絶する」4 執着をたちきること。「君は全く恋慕の念を―しましたか」〈露伴・露団々〉[類語]中止・打ち切る・やめる・切り上げる・よす・断つ・とりやめる・休止・停止・中断・中絶・ストップ・沙汰止み・お流れ・立ち消え・途絶・控える・手を引く・放り出す・見合わせる・見送る・思いとどまる・踏みとどまる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「断絶」の意味・読み・例文・類語 だん‐ぜつ【断絶】 〘 名詞 〙[ 一 ] 続いていたものがたえること。① 古くから受け継がれてきた歴史や伝統などがとだえること。[初出の実例]「可レ参二大原野一也者、而参二大原野一已以断絶也」(出典:江談抄(1111頃)一)「拿破翁(なぽれおん)の乱に和蘭国の運命は断絶(ダンゼツ)して、本国は申すに及ばず印度地方まで悉く取られて仕舞て」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉王政維新)② 子孫が絶えること。家を継ぐものがいなくて廃絶すること。[初出の実例]「家隆卿之嫡流者九条羽林。下向防州未及帰洛。有家朝臣者余胤断絶」(出典:尺素往来(1439‐64))「天孫氏二十五代、一万七千八百二年の正統、ここに断絶(ダンゼツ)す」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)続)③ 続いてきた動作などがやむこと。動きが止まること。[初出の実例]「他行法自雖有断絶、於三昧者昼夜不断事也」(出典:中外抄(1137‐54)久安六年七月一七日)「命終の日強(あながちに)微力を扶(たす)けて沐浴し西に向ひ気(いき)断絶(ダンゼツ)すと云々」(出典:私聚百因縁集(1257)九)④ 全くなくしてしまうこと。全くなくなること。根絶。[初出の実例]「一日左府有二落書一云々。民部大輔為任以二陰陽師五人一令二咒咀一之由云々〈略〉相府一生間、如レ此之事不レ可二断絶一」(出典:小右記‐長和元年(1012)六月一七日)「先づ酒色に耽る所の情慾の根を断絶(ダンゼツ)すると云ふことが」(出典:東京学(1909)〈石川天崖〉二四)[ 二 ] 結びつきやつながりが切れてなくなること。① 主家と臣下の縁を切ること。また、その結果家格を降ろされ所領を没収されること。とりつぶされること。[初出の実例]「家の断絶(ダンゼツ)、奥が歎き、思はんにてはなけれ共、刀の役目弓矢神への恐れ」(出典:浄瑠璃・仮名手本忠臣蔵(1748)二)② 人と人、また、国と国との間などで今まであった結びつきや関係が切れること。[初出の実例]「夫婦の間を断絶あらば、国の民を一日千人ころさうぞ」(出典:日本書紀兼倶抄(1481))「『日露外交の断絶』てふ一項の記事と相並で」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉三〇)[その他の文献]〔戦国策‐趙策・烈侯〕③ 執着していた物や事柄から心を引き離すこと。[初出の実例]「コノ クニエ ワタラレタル コト ベツ ニ アラズ、ショブツ ヲ danjet(ダンゼツ) セシメンタメ ナリ」(出典:サントスの御作業の内抜書(1591)一)「君は全く恋慕の念を断絶(ダンゼツ)しましたか」(出典:露団々(1889)〈幸田露伴〉一八)④ 途中で切れること。また、きれぎれになること。[初出の実例]「履(ふま)ず草生して路断絶する也」(出典:足利本論語抄(16C)衛霊公第十五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「断絶」の読み・字形・画数・意味 【断絶】だんぜつ たちきる。魏・文帝〔雑詩、二首、一〕飛ばんことを願ふも、安(いづ)くにかを得ん 濟(わた)らんと欲するも、河梁(かりやう)無し 風に向ひて長く息す 我が中腸を斷す字通「断」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報