…これらを受けて,19年には歴史学者の喜田貞吉が雑誌《民族と歴史》に〈特殊部落研究号〉を編み,みずから研究成果を発表して,歴史的探究に先鞭をつけた。ついで昭和期に入り,39年には森末義彰が《散所考》を発表し,これによって本格的な研究が軌道にのった。森末の研究は,中世における散所の存在形態を明らかにするのを主眼とし,関係の史料の博捜と,考証の厳密さとにおいて比類なかったが,散所そのものの定義としては,〈一定の居所なく随所に居住せる浮浪生活者を指す〉とするにとどまり,さらに厳密な定義は,のちの研究の進展にまたねばならなかった。…
※「森末義彰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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