(読み)クレ

デジタル大辞泉 「榑」の意味・読み・例文・類語

くれ【×榑】

切り出したままの、皮のついた材木。また、厚い板材。
板屋根をふくための薄い板。へぎいた。
丸太を製材して残った端の板。背板せいた

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「榑」の意味・読み・例文・類語

くれ【榑】

[1] 〘名〙
① 板材。建築材とした板。貢納品、あるいは商品としての規格は、延暦一〇年(七九一)の「太政官符」には長さ一丈二尺(約三・六メートル)、幅六寸(約一八センチメートル)、厚さ四寸(約一二センチメートル)とし、「吾妻鏡」は長さ八尺(約二・四メートル)とする。
正倉院文書‐天平六年(734)五月一日・造仏所作物帳「買檜久礼一千二百八十枚」
※栄花(1028‐92頃)音楽「水の面の間もなく筏(いかだ)をさして、多くのくれ、材木を持て運び」
② 板屋根などをふくのに用いる板。そぎいた。へぎいた。くれぎ。
※米沢本沙石集(1283)五本「次の日、『榑(クレ)や召す』と云て、馬に付て来りける」
③ 丸太を四つ割にして、心材を取り去ったもの。断面扇形となる。三方三寸、腹二寸四分というように定めている。地方により寸法を若干異にし、また六つ割、八つ割のこともある。
④ 丸太を製材して残った端の板。背板
[2] 〘接尾〙 板材を数えるのに用いる語。
※正倉院文書‐天平宝字二年(758)六月二一日・写千巻経所食物用帳「薪五荷 松一久礼 又薪一荷」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【榑木】より

…単に榑ともいう。おもに上質のヒノキ大樹から割り出す材種であるが,榑木の用途,形態は必ずしも一様でない。…

※「榑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android