海中実験室(読み)かいちゅうじっけんしつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海中実験室」の意味・わかりやすい解説

海中実験室
かいちゅうじっけんしつ

大陸棚の開発に従事する潜水技術者の海中作業基地造りを目指す実験室。中を海底と同じ高圧環境にして,自由に外へ泳ぎ出て調査できるようにしてある。呼吸ガスや飲料水,電力などは海上基地からホース電線で送り込む。フランスは 1962年からプレコンチナン計画を進め,65年には水深 110mの海中で,6人が 25日間生活した。またアメリカも 64年からシーラブ計画テクタイト計画を進め,各種の実験生活をしているが,69年にカリフォルニア沖で潜水科学技術者が急死する事故を起している。日本は 71年秋から静岡県伊東沖で実験を開始,75年には潜水模擬装置で水深 100mと同じ 11気圧の高圧環境をつくり,4人が 15日間生活を続けた。さらに,静岡県沼津沖で4人の潜水技術士が水深 100mの海底を泳ぎ,身体への影響を調査した。

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