溜・留(読み)ためる

精選版 日本国語大辞典 「溜・留」の意味・読み・例文・類語

た・める【溜・留】

〘他マ下一〙 た・む 〘他マ下二〙
① とどめる。とめる。
万葉(8C後)一三・三二二七「明日香の川の 水脈(みを)速み 生(む)し多米(タメ)難き 石枕 蘿(こけ)生すまでに」
※浮世草子・風流曲三味線(1706)四「暫時も我宿に尻もためず」
② 集める。積む。また、処理しないままに積み重ねる。
※安法集(983‐985頃)「きの家のくせにのこれる言の葉は花こそたむれちりの上まで」
※最後の時(1966)〈河野多恵子〉「部屋代溜めちゃって」
③ 流れをせきとめて、水などを集め湛(たた)える。
※後撰(951‐953頃)秋中・三一五「朝毎に置く露そでに受けためて世のうき時の涙にぞ借る〈よみ人しらず〉」
財貨をたくわえる。貯蓄する。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「始末大明神の御託宣にまかせ、金銀を溜(タム)べし」
⑤ 次の動作に移るために力をたくわえる。
※半チョッパリ(1971)〈李恢成〉一「腰をためるように構え」
⑥ 魚の強い引きを釣竿または腕でこらえる。

た・む【溜・留】

〘他マ下二〙 ⇒ためる(溜)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報