甚兵衛渡し(読み)じんべえわたし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甚兵衛渡し」の意味・わかりやすい解説

甚兵衛渡し
じんべえわたし

水神渡ともいう。千葉県北部,印旛沼の北東部にあった民営渡船場。承応年間 (1652~55) 佐倉藩の過酷な年貢に苦しむ農民のため,幕府に直訴しようとした公津村 (現成田市) の名主佐倉惣五郎を,渡し守の甚兵衛が,禁を犯し深夜に船を出して藩の追っ手から逃し,みずからも自殺をとげたという歌舞伎佐倉義民伝』で知られるゆかりの地。 1967年,甚兵衛大橋の完成により渡船は廃止された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android