デジタル大辞泉
「渡船」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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と‐せん【渡船】
- 〘 名詞 〙
- ① 渡し場で、人馬、貨物などを対岸へ渡す船。奈良時代、人馬往来の要衝に官使・貢物輸送の目的でこの設備があったが、江戸時代になると、幕府役人・武家・庶民の貨客輸送に重要な役割を果たし、特別大通行の際には近隣の郷村から助船(すけぶね)を徴発することもあった。武家・出家・社人・山伏以外の一般通行者から渡し賃をとったが平水・中水・出水・留川前後・満水長渡しでは、それぞれ金額が違った。常備の船としては平田船、馬船、小伝馬船などがあった。わたしぶね。
- [初出の実例]「近則泥途、遠只津辺、可レ置二渡船等一也」(出典:宝生院文書‐永延二年(988)一一月八日尾張国郡司百姓等解)
- [その他の文献]〔岑参‐送劉郎将帰河東詩〕
- ② 室町時代、中国・朝鮮などに通交して貿易を行なった船。また、その船による貿易。
- [初出の実例]「高麗有二三礼曹一、司二天下之事一、〈略〉其一礼曹向レ余云、自二日本一有二音信一者、有レ所レ求則渡船、非二通好一、以後無レ所レ求而通好可レ然云々」(出典:蔭凉軒日録‐長享二年(1488)三月三〇日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「渡船」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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渡船
とせん
ferry; ferryboat
渡し船。河川,港湾,海峡の対岸,または離島との間の,比較的近距離の水路を往復して,旅客,貨物,車両などを運搬する特殊船。櫓で漕いで進む河川用の原始的な渡し船から,7000~8000tの大型船,快速のフェリーボートなど各種がある。構造上,普通船型渡船と車両渡船とがある。普通船型には用途により,河川渡船,港内渡船,海峡連絡船,鉄道連絡船などがあり,車両渡船には,輸送車両の種類により,諸車渡船,列車輸送船,自動車渡船などがあるが,モータリゼーションの進行は自動車を主として運ぶカーフェリーのめざましい普及をもたらした。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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渡船
酒造好適米の品種のひとつ。1895年育成。雄町(おまち)から選抜された品種。渡船(わたりふね)から選抜淘汰された短稈渡船は山田錦の父にあたる。
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世界大百科事典(旧版)内の渡船の言及
【渡し】より
…
【日本】
渡河地点は,川幅の狭くなる所のすぐ上,九州では〈ツル〉,東国では〈トロ〉などといわれる緩流の場所が選ばれた(これに対し,徒渉(かちわたり)の場合は,川幅の広い浅瀬が選ばれる)。渡船は,多く喫水の浅い艜船(ひらたぶね)で,最初は水流に逆らって斜め上流にこぎ出し,川中で方向を転換して向う岸へ斜めに船を流す。ただし小河川では,流れに直角に引き渡した綱をたぐって船を渡す場合もある。…
【渡し】より
…
【日本】
渡河地点は,川幅の狭くなる所のすぐ上,九州では〈ツル〉,東国では〈トロ〉などといわれる緩流の場所が選ばれた(これに対し,徒渉(かちわたり)の場合は,川幅の広い浅瀬が選ばれる)。渡船は,多く喫水の浅い艜船(ひらたぶね)で,最初は水流に逆らって斜め上流にこぎ出し,川中で方向を転換して向う岸へ斜めに船を流す。ただし小河川では,流れに直角に引き渡した綱をたぐって船を渡す場合もある。…
※「渡船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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