社会主義法制(読み)しゃかいしゅぎほうせい(英語表記)Soviet and socialist legal system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会主義法制」の意味・わかりやすい解説

社会主義法制
しゃかいしゅぎほうせい
Soviet and socialist legal system

社会主義国家の法制度。 1917年のロシアの十月革命ののち,ソビエト政権によって制定されたのが最初で,その後アジアと東ヨーロッパの社会主義諸国の先例となった。欧米諸国や日本の憲法などにみられる権力分立原理が否認され,立法府が国家権力の最高機関として執行府と司法府に優位し,立法府による制定法だけが法源とされている。社会主義建設という目的を遂行するための手段として社会主義法制が存在する。 21年成立のモンゴル人民共和国をはじめ,東ヨーロッパ諸国 (アルバニアルーマニアチェコスロバキアハンガリー東ドイツポーランド) ,中華人民共和国北朝鮮,ベトナム社会主義共和国の国々は多かれ少なかれソ連型社会主義法制を受継いでいた。しかしながら,89年からはじまった東ヨーロッパ諸国における革命的変革ソビエト連邦の崩壊などにより,少くともこれらの国々においてはソ連型社会主義法制は否定ないし大きく変更されるにいたっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android