糖尿病薬(読み)とうにょうびょうやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「糖尿病薬」の意味・わかりやすい解説

糖尿病薬
とうにょうびょうやく

糖尿病には,インスリン依存型と非依存型の2種類がある。前者膵臓のインスリン生産能力が低下するために起り,一般に症状は重く,おもに外部からのインスリン注射によって治療される。従来の動物由来のインスリンだけでなく,遺伝子組換えによってヒト型に近づけたり,効果の持続をはかる工夫が行われている。また,注射以外に経鼻投与法も開発されている。これに対してインスリン非依存型の場合には,受容体の機能が悪いためインスリンが利用されにくい状態になっており,インスリン投与では効果がない。そこで,インスリン分泌を刺激するとともに,末梢でのインスリン感受性を高めるため,スルフォニルウレア系とビグアナイト系の薬剤が用いられる。これらのほかに,合併症である網膜症白内障の原因であるソルビトールフルクトース蓄積を抑えるアルドース還元酵素阻害剤の開発も行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android