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インスリン insulin

翻訳|insulin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

インスリン
insulin

ホルモンの一種。膵臓ランゲルハンス島のβ細胞から分泌され,糖質の代謝に重要な役割を果す。 1921年に F.G.バンティングと C.H.ベストが発見し,34年に D.スコットが亜鉛添加によって容易に結晶化することを発見するに及んで,純度の高いインスリン製剤が広く供給されるようになった。インスリン製剤は糖尿病の特効薬である。現在,糖尿病に用いられる製剤を大別すると,(1) 血糖を低下させる作用は迅速であるが,効果の持続時間が短い正常インスリン,(2) 効果の発現は遅いが,長時間作用する持続インスリン,(3) 作用時間がその中間の中間インスリン,などがある。インスリンの含有量も 1ml 中に 20,40,80,100単位など各種のものがある。近年,ヒト由来インスリンも開発され,製剤としての純化は完了した。今後は超速効型,水溶性,持続型の開発に関心が高まっている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

インスリン

血液中に含まれる糖を体の細胞に取り込む働きをするホルモン。食事で血糖値が上がると大量に分泌される。インスリンの分泌や作用が十分でないと、血糖値が慢性的に高い状態の糖尿病になる。 逆に、インスリンが過剰になると意識障害や昏睡(こんすい)などを起こす危険がある。

(2017-03-08 朝日新聞 夕刊 2社会)

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デジタル大辞泉の解説

インスリン(insulin)

インシュリンとも》膵臓(すいぞう)ランゲルハンス島にあるβ(ベータ)細胞から分泌されるホルモン。体内組織における糖質脂肪たんぱく質核酸の合成・貯蔵を促す作用があり、特にぶどう糖の筋肉内への取り込みを促進させ、血糖を減少させる。不足すると糖尿病になる。

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栄養・生化学辞典の解説

インスリン

 膵臓ランゲルハンス島のB細胞が分泌するペプチドホルモンで,A,Bの2本の鎖からなり,各組織のインスリンレセプターに結合して,グルコースの取り込み促進,アミノ酸の取り込み促進,タンパク質,RNA,DNAの合成促進,タンパク質分解の抑制などの広範な生理作用がある.これらの作用により,強い血糖抑制作用を示す.ヒト血液の正常値は2〜20μU/dl

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

インスリン
いんすりん
insulin

膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島のβ(ベータ)細胞より分泌されるホルモン。インシュリンともいう。生体内において血糖を降下させる唯一のホルモンである。ヒトインスリンは、21個のアミノ酸からなるS-S結合を一つもつA鎖と、30個のアミノ酸からなるB鎖が、二つのS-S結合によって結び付けられた構造をもつ分子量5734のポリペプチドホルモンである。インスリンは多種の組織、器官でのさまざまな代謝に直接的、間接的な作用を示し、さらにほかのホルモンとも密接な関係を保ちながら、代謝の調節に重要な働きをしている。なかでも、とくに肝臓、筋肉、脂肪組織を主要な標的器官としており、種々の現象が認められる。
 このうち、酵素の誘導には数時間を要するが、その他の作用は非常に速やかに行われる。インスリン欠乏時には、多くの組織でブドウ糖の取り込みが低下し、肝臓でのブドウ糖放出量が増して高血糖状態、いわゆる糖尿病を引き起こす。その結果、細胞内はブドウ糖欠乏状態となり、エネルギー供給源としてタンパク質、脂肪に依存するようになるため、タンパク質からの糖新生、脂肪の異化が促進され、脂質異常症を引き起こし、血管系病変に基づいた数々の合併症をもたらす。
 インスリンの作用の仕組みについては解明されつつあるが、細胞膜表面に特異的な受容体が存在し、インスリンが結合することにより、その作用を発揮するものと考えられている。糖尿病の治療に用いるインスリン製剤は、効果の持続時間の差異により、レギュラー(速効性)インスリン、レンテ(中間型)インスリン、ウルトラレンテ(持続性)インスリンなどに分けられる。[川上正澄]
『葛谷健編『インスリン――分子メカニズムから臨床へ』(1996・講談社) ▽小林正編『インスリン療法マニュアル』第3版(2005・文光堂)』

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世界大百科事典内のインスリンの言及

【インシュリン】より

…インスリンともいう。膵臓に散在する内分泌組織,ランゲルハンス島β細胞で生合成され,分泌されるホルモン。…

※「インスリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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