臼・碓(読み)うす

精選版 日本国語大辞典 「臼・碓」の意味・読み・例文・類語

うす【臼・碓】

〘名〙
① 穀物の調製具。穀物を粉にしたり、精白したり、また、餠をついたりするときに用いる。搗臼(つきうす)と摺臼(すりうす)の別がある。
※古事記(712)中・歌謡「その鼓 宇須(ウス)に立てて 歌ひつつ」
② 女の腰の回りの大きなさまのたとえ。→臼になる
③ (隠語で、男根を杵(きね)にたとえるのに対して) 女陰。また、転じて、女。→臼から杵臼と杵
④ 性交法の一つ。茶臼の略称。
浄瑠璃・妹背山婦女庭訓(1771)二「上様でも肝腎のときは、やっぱり臼がお好きでな」
[語誌](1)①のように搗臼(つきうす)と摺臼(すりうす)の総称であるが、「伊京集」では「臼」だけでツキウスとも読み、古くは木製の搗臼をいったものと考えられる。それと区別する意味で「磑」をスリウス、足で踏んでつく「碓」をカラウスともいうようになったか。
(2)搗臼は稲作とともに日本に伝来し、江戸時代に横杵が使われるようになるまで、竪臼竪杵の組み合わせで長く用いられていた。効率の面では摺臼や唐臼に劣るため、少量の精白、製粉、餠搗き等に使われたにすぎないが、食物調整具として神聖視され、多くの民俗儀礼も伴って来た。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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