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製粉 セイフン

デジタル大辞泉の解説

せい‐ふん【製粉】

[名](スル)穀物をひいて粉をつくること。特に、小麦から小麦粉をつくること。「製粉業」

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世界大百科事典 第2版の解説

せいふん【製粉 milling】

穀物を粉砕して胚乳部を粉として採り分けること。小麦を製粉することが圧倒的に多いため,単に製粉という場合は小麦製粉を意味することが多い。小麦以外には米,そば,とうもろこし,大麦ライ麦裸麦,大豆なども製粉されている。
[歴史]
 小麦には強靱な外皮があることなどから,米のような粒食に適さず,大昔から粉砕して食用とされてきた。6000年前の古代バビロニアやその後のエジプト王朝時代に乳鉢状の臼で穀物をついて粉砕していたことが遺跡の石器や壁画などによってうかがえる。

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大辞林 第三版の解説

せいふん【製粉】

( 名 ) スル
穀物から粉、特に小麦から小麦粉を作ること。 「 -業」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

製粉
せいふん
grain mill

穀物を粉砕して粉にする方法。最初は水車が利用され,歯車によって回転する挽臼ローマ帝国で使われ始めた。本格的に発達したのは中世ヨーロッパで,フランスのアルル付近では,木製歯車のついた直径 2mの 16連の上掛け水車が稼動し,8万人の需要をまかなったとされる。風車も動物の力に代わる動力として当初から使われた。風車は世界各地で何世紀にもわたって利用され,発展途上国では今日においても産業向けの重要な動力源となっている。現代の製粉機は鉄鋼製円柱を使用する。粉をつくる際には,穀物を数組の円柱の間ですりつぶす。溝を切った円柱の間で穀物をつぶして殻を開いたのち,なめらかな円柱で粗びき粉を細かい粉末に仕上げる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

製粉
せいふん

物理的手法によって原料を粉砕し、粉にする操作をいうが、一般には穀物とくに小麦粒を破砕、開皮して、その中に約85%含まれている胚乳(はいにゅう)部を取り出し、これを二次加工しやすい粉にする操作をさす。[石橋貞人]

製粉の歴史

人類は原始時代からすでに、穀物を平らな石の上にのせて、石片でつぶしてすって粉砕し、食料にしていた。このことは紀元前4000年の古代バビロニアをはじめ、その後のアッシリアやエジプトの遺跡からうかがうことができる。その後、小麦粉の需要が増し、自家製粉から産業製粉へと変わるにつれ、奴隷労働力または家畜の力を石臼(いしうす)製粉の動力とするようになった。この方法はすこしずつ改良が加えられたが、およそ19世紀なかばまで行われていた。続いて、前450~前400年ころギリシア人とローマ人によってそれぞれ水車形式の製粉工場が設計された。風車形式のものは、後600年ころ東洋において発明され、オランダおよびイギリス東海岸で発達した。これらの方法は、大きな進歩のないまま長期にわたり使用された。このころまでの製粉は小麦原料を1回だけ石臼にかける方式のものであったが、17世紀に入って、何回か別の石臼にかけ、そのたびにふるい分けを行う段階式製粉方法が用いられるようになった。
 1784年ワットらにより蒸気機関を利用した石臼製粉工場がイギリスに設立され、その後、アメリカを中心にしてエレベーターとコンベヤーの導入による工場の自動化が実現した。さらに1854年ピュリファイヤーが考案され、製品の品位が著しく向上した。
 それまで使用されていた製粉機はすべて石臼であった。今日のロール式製粉機は1588年イタリア人により発明され、1870年ごろオーストリア人により実用化された。その後しだいに石臼からロール機に切り換えられ、その間、精選設備、機械操作も目覚ましく発達し、現在のような全自動式ロール製粉システムがつくられるようになった。[石橋貞人]

製粉工程

小麦製粉は、現在では段階式製粉法が用いられており、その工程は前処理工程、挽砕(ばんさい)工程、仕上げ工程の三つに大別される。[石橋貞人]
前処理工程
入荷した小麦に含まれている異物や塵埃(じんあい)あるいは製粉に不適当な未熟粒などを精選・除去し、また、小麦粒を破砕し皮部を分離するのに適した状態にするために、加水、乾燥あるいは加熱を行う工程である。さらに小麦は種類によって化学的・物理的品質が異なるので、この工程で目的とする品質・品位の小麦粉が得られるように各種の小麦を配分する。[石橋貞人]
挽砕工程
前処理が終わった原麦粒の表皮を開き、内側の胚乳部を取り出して粉砕し、粉と(ふすま)に分ける工程で、段階的に粉砕・ふるい分けが行われ、最終段階で上がり粉になる。(1)破砕 小麦粒子の表皮を開き、胚乳の粗粒(セモリナ)を取り出す工程で、通常5、6段のロールを通すようになっている。(2)ふるい分け 各段で粉砕されて得られたストック(原料)は、かならずふるい分けされる。これによって細粉を取り出し、それと同時に、細粉とならなかったものは粒度別に分けて、純化機や次段のロールに送られる。(3)純化 ふるい分けされた胚乳部に混入している表皮部を、風力を利用して分離する工程である。これによってセモリナは純化され、粒度がそろうことになる。(4)粉砕 破砕工程から純化機を経てきた胚乳粒子を、さらに細かく粉砕して目的の粒度の粉にする工程である。
 以上の工程が繰り返し行われる。[石橋貞人]
仕上げ工程
上記工程を終えた粉をそれぞれ混合機または再篩(ふるい)機にかけよく混ぜて均一なものとし、遠心力による衝撃力で殺虫する。場合により漂白剤、熟成剤、栄養強化剤などを適量混入したうえで包装もしくはホッパへと送る。[石橋貞人]

製粉機

原料小麦を粉砕し細化する機械をさすが、広義には精選、ふるい分け用の機械まで含めて製粉機とよぶ。小麦用製粉機は2個のロールの組合せによって異径等速のものと同径異速のものがあるが、最近では後者の形式のものがほとんどである。ロール機には一組(2個)のロールからなる単式と、二組(4個)のロールからなる複式とがあり、またロール配置の仕方により、アメリカ式とヨーロッパ式とに分けられる。ロールにはブレーキロールとスムースロールとがある。前者はロール表面に3~7度傾斜した溝が刻まれ、破砕工程で使用される。後者はロール面が平滑に仕上げられ、粉砕工程で使用される。一対のロールの回転速度が等速に近いほど圧砕作用が強く、速度比が大きくなるほど剪断(せんだん)作用は大となる。ロールの間隙(かんげき)はロール機を操作する際の要(かなめ)となるもので、小麦原料供給量とともに製粉機の所要動力と製品の品質に大きな関係をもっている。ロール機にはこのほか、ストックを均一に供給するフィードロールやロール表面のストックの付着を防ぐブラシ・スクレーパー、ロール過熱によるタンパク質、デンプンの変質を抑えるロール冷却装置などが付属している。[石橋貞人]

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世界大百科事典内の製粉の言及

【中国料理】より

…もとよりこれらは,いわゆる〈張騫もの〉と称されるもので張騫の西域遠征の際にすべて伝来したものではない。しかしパン小麦の製粉,粉食の技術が中国に入ったのは,紀元前2~前1世紀の前漢時代とされ,こうじによるパンの発酵法も伝わったが,中国人はパンの焙焼法を捨て,中国独特の蒸製法を開発して,饅頭(マントウ)(あんなし),包子(パオズ)(あん入り)をつくり出し,宋・明・清の各時代をへて,いっそう精緻の度が加えられ今日にいたっている。粒食が主であった新石器時代以来の華北の食事形態は,漢代以降,粉食に移っていき,長江を境に江南の米,江北の麦といわれるようになる。…

※「製粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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