花筵・花蓆(読み)はなむしろ

精選版 日本国語大辞典 「花筵・花蓆」の意味・読み・例文・類語

はな‐むしろ【花筵・花蓆】

〘名〙
綿糸または麻糸の撚(より)合糸を経(たていと)とし、緯(よこいと)には藺草(いぐさ)を織り込んだもの。敷物用。岡山・広島・福岡が産地。現在は経にサランなどを使用している。花茣蓙(はなござ)ともいう。かえん。
※浮世草子・椀久一世(1685)下「世を渡る業とて花莚(ハナムシロ)を織習ひ」
② 花見の宴席に敷く筵。また、花見の座、花見の宴席。《季・春》
※匠材集(1597)一「花むしろ 花の座也。莚の文に花あり」
草花などが一面に咲きそろったさま、また、桜などが一面に散りしくさまなどを筵にたとえていう語。
※俳諧・犬子集(1633)三「敷つめにせよ床夏の花むしろ〈盛一〉」
④ オリイレヨウバイ科の巻き貝。房総半島以南の水深一〇~一〇〇メートルの砂泥底にすむ。殻高約二・五センチメートル。殻表には帯黄白色や栗色の帯があり、全面にまばらに螺溝(らこう)が刻まれている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android