菟原壮士(読み)うないおとこ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「菟原壮士」の解説

菟原壮士 うないおとこ

妻争い伝説人物
摂津菟原(うはら)郡(兵庫県)の六甲山南麓にすむ菟原処女(うないおとめ)をめぐって血沼壮士(ちぬおとこ)とあらそった。処女ふたり争いをなげいて自殺し,男たちも後を追ったという。「万葉集」には,これを題材とした大伴家持(やかもち)らの和歌がおさめられている。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の菟原壮士の言及

【菟原処女】より

…万葉歌人高橋虫麻呂,田辺福麻呂(さきまろ),大伴家持に歌われ(巻九,十九),後世《大和物語》147段,謡曲《求塚(もとめづか)》,森鷗外の戯曲《生田川》にもなった妻争い伝説の女主人公である。慕い寄る男たちの中でとりわけ執心なのが菟原壮士(うないおとこ)と和泉国の智弩壮士(ちぬおとこ)だった。〈年齢,顔容貌,人の程ただ同じばかりなむありける。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」