行騰(読み)むかばき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「行騰」の意味・わかりやすい解説

行騰
むかばき

行縢とも書く。武士狩猟騎馬,旅行などの際に腰から脚にかけて着用した服装品の一種向脛 (むかはぎ) にはくという意味。シカの夏毛を第一に,クマ,トラなどの毛皮でつくられた。旅行用の行騰は,向脛布 (むこうはばき) の意で,布類を細長く裁ち,向脛に巻付ける形式のものが用いられた。騎馬用では特に流鏑馬 (やぶさめ) ,笠懸 (かさがけ) ,犬追物 (いぬおうもの) の射手方の正式装束の一部であった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android