西の海（読み）にしのうみ

精選版 日本国語大辞典

にし【西】 の 海(うみ)

① 西方の海。西方浄土に通じる海。

※新勅撰（1235）釈教・六二三「にしのうみ入る日をしたふ門出して君の都にとほざかりぬる〈後白河院京極〉」

② 西海道(さいかいどう)のこと。

※源氏（1001‐14頃）橋姫「人をはかりごちてにしのうみのはてまでとりもてまかりにしかば、京のことさへ、跡絶えて」

③ 厄払いで災厄を追い込むという、西方にある冥界。また、厄払いの異称。→西の海へさらり。

※雑俳・出世丸（1730）「年々に世界の厄を西の海」

出典　精選版 日本国語大辞典