西本願寺本三十六人集(読み)にしほんがんじぼんさんじゅうろくにんしゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西本願寺本三十六人集」の意味・わかりやすい解説

西本願寺本三十六人集
にしほんがんじぼんさんじゅうろくにんしゅう

西本願寺所蔵の『三十六人集』 (→三十六歌仙 ) ,国宝。 39帖中,平安時代の書写のもの 32帖,鎌倉時代のもの1帖,江戸時代の補写本4帖,昭和年代の補写本2帖から成り,すべて粘葉装 (でっちょうそう) 。天仁期 (1108~10) 頃の制作と推定され,20種ほどの書風による寄合書 (よりあいがき) で,『貫之集下』『順 (したごう) 集』『中務集』の3帖が藤原定信筆に比定される以外筆者は不明。平安時代の書として書道史上貴重。料紙は工芸技術の粋を尽した華麗なもの。天文 18 (1549) 年,後奈良天皇が本願寺証如上人に授与された。このうち『伊勢集』『貫之集下』は昭和の初めに分割され,大坂石山の地にちなんで,『石山切』と称する。

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