書物装丁の一つ。用紙を一枚ごとに二つ折して,折り目(外側)に沿って5mm幅ほど,のり付けして重ねて貼り合わせ,表紙をつけて冊子としたもの。のりを用いて各葉をとじつけるので〈粘葉〉といい,それ以前の折本(おりほん)や旋風葉に代わって盛んとなった。表紙には,背の部分を紙や布(絹)で包み,前後別々に表紙を添えるものと,または一枚の表紙で前後を包み,背の部分をのり付けにした,包み表紙がある。のり付けされた丁を見開くと,チョウが羽根を広げた形になるので,中国では蝴蝶装と呼ぶ。宋時代の刊本装丁の代表的なものである。刊行当時そのままの原装本はほとんど残っていないが,天理図書館所蔵の《通典》(南宋版,重要文化財)は原装本のおもかげを伝えるもの。日本の例では,高野版《十住心論》(1255刊),浄土教版《西方要決釈疑通規》(鎌倉中期刊)などがある。中国の書物は用紙の表面のみを印刷,裏が白であるのに対し,日本では両面印刷が特徴である。写本としては空海筆《三十帖冊子》(仁和寺蔵,国宝)が現存最古のものである。
→装丁
執筆者:大内田 貞郎
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…これは長い間に折り目が切れやすいので,紙葉を重ねて,折り目に糊入れし,表紙でくるむ方法が案出された。ひろげると蝶のはねのようなかっこうをしたので〈胡蝶(こちよう)装〉と呼ばれ,また糊ではりつけたので〈粘葉(でつちよう)装〉ともいわれた。この方法は唐代にもおこなわれ,宋代にはいり,印刷術が盛んになるにつれてその使用も増大していった。…
※「粘葉装」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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