車鬢(読み)クルマビン

デジタル大辞泉 「車鬢」の意味・読み・例文・類語

くるま‐びん【車×鬢】

《形が車のに似ているところから》歌舞伎かつらの一。鬢の毛をいくつかに分けて束ね、油や漆で固めたもの。荒事あらごと主人公侠客きょうかくなどに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「車鬢」の意味・読み・例文・類語

くるま‐びん【車鬢】

〘名〙
① 歌舞伎の鬘(かつら)の一つ。鬢の毛を束ねて数本に分け、油や漆で固め左右へ突き出させた形のもの。車輪の輻(や)に似ているところからいう。毛を束ねた本数により、三本車鬢、五本車鬢、七本車鬢がある。荒事、侠客など強い性格の役柄に用いる。「暫」「矢の根」など。特殊なものに鬢を突き出させず髷(まげ)の根に回して粋な感じを加えたものがあり、「鈴が森」の長兵衛などに用いる。〔戯場訓蒙図彙(1803)〕
② 江戸中期の女性の鬢形の一つ。〔当世かもじ雛形(1779)〕

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