軽忽・軽骨(読み)きょうこつ

精選版 日本国語大辞典 「軽忽・軽骨」の意味・読み・例文・類語

きょう‐こつ キャウ‥【軽忽・軽骨】

〘名〙 (「きょう」は「軽」の呉音)
① (形動) かるがるしく不注意なこと。落ち着きがなく、そそっかしいこと。かるはずみ。粗忽。軽率。けいこつ
※小右記‐永延二年(988)九月一七日「事極軽忽、上下側目云云」
洒落本・松登妓話(1800)二「『モシおいらんへ、とんだ事がおざりィす。早くお出なんし、はやくはやく』『ヱヱモウ、きゃうこつな。なんでおす。ばからしい』」
② (形動) 人の様子や人柄が軽はずみで頼りにならないようにみえること。
源平盛衰記(14C前)二二「此の人の体軽骨(キャウコツ)也。墓々敷(はかばかしく)日本の主とならじとて」
③ (形動) 他人から見て軽はずみで不注意に見えると思われるような愚かなこと。とんでもないこと。笑止。
※三体詩幻雲抄(1527)「中中不足言ともあまり軽忽なほどに物語ぞ」
浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)一「此かさたためと有ければ、なふきゃうこつや是程ふるあめにといへば」
④ (形動) 気の毒なこと。
※幸若・満仲(室町末‐近世初)「あら軽忽や児わ何を泣給ふぞ」
⑤ (━する) おろそかに扱うこと。軽蔑すること。
三代格‐二・貞観一六年(874)四月一五日「如当寺戒牒、既請官印、何以軽忽」
太平記(14C後)二一公家成敗を軽忽(キャウコツ)し、山門鬱陶を嘲哢したる翔(ふるまひ)也」

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