中世武家が1232年(貞永1)に初めて制定した法律は〈御成敗式目〉と称せられている。〈成敗〉という辞句を公式に法制用語として使用したのはこれが最初であろう。その注釈書(《式目抄》)に,〈成敗〉という意味について,〈成敗ノ二字ハ,日本ニツカウモ,唐(中国)ニツカウモ,同ジ心也,成トハ悪ヲヤブルヲ云,善事ヲバ成シ,悪事ヲバ敗ルヲ成敗ト云ウ也,但シ成ト敗トハ二ツニシテ一也,善ヲ成セバ自ラ悪ハ敗ルヽ也,悪ヲ敗レバ自ラ善ハ成ル也〉と説明し,〈成敗〉は相関的な語であるとしているように,古来広義には政務を意味し,狭義には制裁または裁判を意味した。しかし,鎌倉後期より戦国以降に及び,一転して最終最重の制裁たる死刑を意味するに至った。明治維新後,修史館において旧幕府の記録を漢訳するに当たり,〈成敗〉を改めてことごとく〈処斬〉としてしまったという。また喧嘩両成敗法にいう成敗も原被両者に死罪を科すという意味であった。
執筆者:辻本 弘明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
政務をとること,事柄を処置すること,裁決すること,処罰することなど,中世~近世にさまざまな意味で用いられた。漢語の原義は「勝敗(を決すること)」で,中世における意味の中心は物事を分別し決定することにあった。鎌倉幕府ではしばしば所領を承認する安堵(あんど)との対比で用いられ,一方の当事者の申立てにもとづく安堵に対し,成敗は対立する当事者の主張の間に立って断を下すことを意味した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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