義烈団(読み)ぎれつだん

改訂新版 世界大百科事典 「義烈団」の意味・わかりやすい解説

義烈団 (ぎれつだん)

三・一独立運動の非暴力路線にあきたらない金元鳳らが,朝鮮独立の精神を高揚する目的で1919年に組織した団体。同年11月10日満州吉林省で結成,当初の同志は13名。正義の義と猛烈の烈を団名にしたという。〈日本帝国主義の心臓部に弾丸を打ちこむ必殺主義〉を唱え総督府幹部,日本軍首脳,親日分子を暗殺の対象にし,総督府,東洋拓殖株式会社,《毎日申報》,警察など植民地支配の機関を破壊の対象にした。〈駆逐倭奴,光復祖国,階級打破,平均地権〉を標榜し,民族主義左派の傾向が強かった。20年9月の釜山警察署,同年11月の密陽警察署,21年9月の朝鮮総督府の各爆破事件,22年3月上海での田中義一大将狙撃事件,24年1月東京での二重橋爆弾事件などに関与し,斎藤実総督のいう〈文化政治〉に脅威を与え,朝鮮人民に希望と勇気をもたらしていた。35年7月,情勢の変化に従って,より広範な民衆を組織するため朝鮮民族革命党に転身し,発展した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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