〓釵記(読み)けいさき(その他表記)Jīng chāi jì

改訂新版 世界大百科事典 「〓釵記」の意味・わかりやすい解説

釵記 (けいさき)
Jīng chāi jì

中国,元末・明初の長編戯曲。南方系の楽曲による戯文。作者未詳。宋の王十朋の出世と,妻の銭玉蓮の貞節を描く。丞相専横富豪横恋慕のため,状元に及第した十朋の左遷や玉蓮の自殺未遂などがおこるが,十朋が聘礼として玉蓮に贈った荆釵(荆のかんざし)が証拠となり,夫婦が再会して団円となる。元の雑劇が衰退して,杭州・温州あたりの戯文が発展しはじめた時期の傑作の一つである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 岩城

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android