心室中隔欠損症などの先天性疾患があって,肺動脈の閉塞性病変のために肺高血圧症が起り,逆短絡のため常に軽いチアノーゼの出現する心臓奇形をいう。 1897年,オーストリアの医師 V.アイゼンメンゲルが初めて記載した。チアノーゼ現象だけに注目して「青色病」 blue diseaseなどといわれることもある。最近は,心室中隔欠損症にかぎらず,心房中隔欠損症や動脈管開存症などによるものを総称してアイゼンメンゲル症候群と呼ぶ。おもな症状は,生後数年たって起る遅発性チアノーゼ,からだを動かしたときに起る呼吸困難,心悸亢進などで,ついには心不全に陥る。手術はできないので,対症療法を行う。