心悸亢進(読み)しんきこうしん(英語表記)tachysystole

精選版 日本国語大辞典 「心悸亢進」の意味・読み・例文・類語

しんき‐こうしん ‥カウシン【心悸亢進】

〘名〙 心臓動悸が激しくなること。健康人でも、緊張したり、驚いたりしたときに起こる。心臓疾患貧血バセドー病等の病的症状としても現われる。
故旧忘れ得べき(1935‐36)〈高見順〉一「心悸亢進なんてどえらい病気であって堪るもんですか」

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デジタル大辞泉 「心悸亢進」の意味・読み・例文・類語

しんき‐こうしん〔‐カウシン〕【心××亢進】

心臓の鼓動が平常よりも強く速くなること。精神的な興奮、激しい運動心臓病などで起こる。

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改訂新版 世界大百科事典 「心悸亢進」の意味・わかりやすい解説

心悸亢進 (しんきこうしん)
tachysystole

心臓の拍動を自覚し動悸を感ずる状態で,とくに心臓の拍動が異常に強く速くなっている場合に用いられる。原因としては,運動,精神的緊張,発熱などの肉体的・精神的負担の増大や,アルコール,カフェインニコチンなどの嗜好品や薬物などによって,脈拍数が増したり血圧が上昇したりする場合と,心臓病や呼吸器病などの病的状態で,脈拍数が増したり,不整が起こったり,極端に脈拍が減少したりする場合,また大動脈瘤や心臓の拡大のために胸壁に拍動が強く伝わる場合などである。したがって,明らかに前者のような誘因によって起こっている場合は必ずしも病的状態とはいえない。自覚症状は,心臓の拍動が強いか速いために,拍動のたびごとに〈どきどき〉と規則的に感ずる場合,心臓の拍動のリズムが変化するときに胸やのどに〈どっきん〉と強く感じたり,胸がつまるように感じたりする場合,心臓の拍動が発作性頻拍などで極度に速くなるために〈どどどどどっ〉と早鐘を打つように感じる場合などがある。しばしば,息苦しさ,めまい,ほてり,吐き気,浮腫などの症状を合併する。脈をとると頻脈不整脈を知ることができる。自覚症状が強く危険な頻拍が認められれば治療が必要であるが,一般には安静や鎮静薬で治まることが多い。
脈拍
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百科事典マイペディア 「心悸亢進」の意味・わかりやすい解説

心悸亢進【しんきこうしん】

動悸とも。心臓の鼓動が強く,心拍数が著明に増加した状態をいう。精神的興奮,熱病,運動,過労,心臓病などの原因によって起こる。心拍の不整を動悸と感ずることもある。神経循環無力症の人は,軽い動作でも動悸を訴える。
→関連項目覚醒剤心臓脚気心臓神経症心不全

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「心悸亢進」の意味・わかりやすい解説

心悸亢進
しんきこうしん
palpitation

動悸。心臓の拍動数が増加して,前胸部に鼓動を強く感じることをいう。精神的興奮,運動,過労,貧血,発熱,心臓病などの原因で起る。

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世界大百科事典(旧版)内の心悸亢進の言及

【動悸】より

…胸がどきどきするという自覚症状。似たことばに心悸亢進tachysystoleがあるが,これは動悸とともに心臓部の不安感や心臓の存在感を伴うもので,動悸よりも広い概念をもつ。動悸は,心臓の収縮力が増強しているとき,発作性頻拍症などにより頻脈のあるとき,期外収縮など不整脈があるときや血流異常などによって生じる。…

【動悸】より

…胸がどきどきするという自覚症状。似たことばに心悸亢進tachysystoleがあるが,これは動悸とともに心臓部の不安感や心臓の存在感を伴うもので,動悸よりも広い概念をもつ。動悸は,心臓の収縮力が増強しているとき,発作性頻拍症などにより頻脈のあるとき,期外収縮など不整脈があるときや血流異常などによって生じる。…

※「心悸亢進」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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