最新 地学事典 「アイソスタシー運動」の解説
アイソスタシーうんどう
アイソスタシー運動
isostatic movement
マントル上部における静水圧平衡を回復するために起こる地殻運動。地殻とマントル上部は100年以上にわたり継続して働く力に対しては粘性体としてふるまう。地殻とマントル上部の場合には,一度起こった変形がその半分の量を取り戻すのに約1万年を要するくらい,ゆっくりと平衡に達する。そのための流れは主として深さ100~200kmの辺りで起こる。その深さは岩石が比較的軟らかく,地震波の伝搬速度が小さいので低速度層ともいう。スカンジナビア半島などでは,最終氷期の氷の重みのため地表が沈降し,1万年前に氷期が終わって以来隆起しつづけている。このような隆起速度の研究から,最終氷期の氷の厚さが2~3kmであることや地球上層のレオロジー的性質,特に粘性係数が約1021Pa・s程度であることなどが計算されている。アイソスタシーの概念はもともとは測地学的調査から生まれた。
執筆者:杉村 新
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

