アウグスタ・トレウェロルム(英語表記)Augusta Treverorum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アウグスタ・トレウェロルム
Augusta Treverorum

北東ガリアの古代ローマの都市。現ドイツのトリールガリア戦争 (前 58~51) 中,ユリウス・カエサルが現地民トレウェリ人を征服したのちに創建され,前 15年アウグスツス帝によって命名された。皇帝クラウディウス1世 (在位 41~54) のときまでに植民市 (コロニア) となった。モーゼル河畔にのぞみ,交通,通商行政の中心として急速に勃興し,4世紀初めのテトラルキア時代には皇帝の所在地となり,またキリスト教司教座が設けられ,9世紀には大司教座に昇格した。

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世界大百科事典(旧版)内のアウグスタ・トレウェロルムの言及

【トリール】より

…古代ローマの遺跡が多く,また中世にも重要な役割を果たした歴史的観光都市として著名である。 ローマ都市アウグスタ・トレウェロルムAugusta Treverorumは,おそらく前16‐前13年のころ,アウグストゥス帝によってケルト系のトレウェリ族の居住地であったこの地に,ライン戦線ローマ軍団の兵站基地として建設された。モーゼル川河畔に位置し,ケルンやマインツに向かう街道に接するという交通の要地であったために,さまざまの商品の積み換え地として急速な経済的発展をとげ,織物,武器,陶器などの生産地ともなった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」