日本大百科全書(ニッポニカ) 「アオヘビ」の意味・わかりやすい解説
アオヘビ
あおへび
green snake
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科アオヘビ属に含まれる無毒ヘビの総称。同属Opheodrysのほとんどは体色が緑色系統で、アッサム(インド)、インドシナ、中国南部、台湾に6種、日本では南西諸島に3種、そして北アメリカに2種が分布している。全長1~1.5メートル。背面が鮮やかな黄緑色で体鱗(たいりん)の滑らかなものが多く、平地から低山地の森林や水辺の草むらの湿った場所を好み、昼行性で性質はきわめておとなしい。餌(えさ)はカエル、ミミズ、昆虫類などである。日本産のうちリュウキュウアオヘビO. semicarinatusは分布がもっとも広く、吐噶喇(とから)列島から奄美(あまみ)、沖縄諸島の平地や低山地に生息し、サキシマアオヘビO. herminaeは先島諸島、キクザトアオヘビO. kikuzatoiは久米島(くめじま)にのみ分布している。北アメリカ産には、美しい黄緑色で体鱗の滑らかなアメリカアオヘビO. vernalisと、体鱗にキール(隆条)のあるラフアオヘビO. aestivusとがある。
[松井孝爾]