アカコロブス（その他表記）red colobus
Colobus badius

改訂新版　世界大百科事典

アカコロブス
red colobus
Colobus badius

霊長目オナガザル科の1種で，長い尾をもった赤毛で中型の旧世界ザル。十数亜種が知られている。アフリカの中央部を中心にして，ザンジバル島，東アフリカから西アフリカのガンビアまで広く分布し，熱帯降雨林，沼沢林，川辺林に生息する。樹上生活者であるが，地上に降りることもある。頭胴長は約60cm，尾長は約65cm，体重は約10kg。体色は赤褐色から鮮やかなオレンジ色，黄褐色のものまで変異に富む。背側が黒っぽい亜種もある。頭の毛が耳の上や頭頂に高く立つ。食性は同属のクロシロコロブスが葉食に特殊化しているのに対して雑食性を残しており，果実，昆虫なども食べる。30～100頭の複雄群をつくって生活し，またオナガザル類と混群をつくることも多い。クロシロコロブスと異なって赤ん坊の体色は親と同じである。飼育はむずかしく，動物園での飼育例はほとんどない。
→コロブスモンキー
執筆者：黒田 末寿

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

世界大百科事典（旧版）内のアカコロブスの言及

【コロブスモンキー】より

…【黒田 末寿】。。…

【コロブスモンキー】より

…赤ん坊の体毛は純白で，成長すると黒くなる。アカコロブスC.badius（イラスト）は，クロシロコロブスよりやや小さく赤褐色から黄褐色の体毛をもつが，これも変異が著しい。森林地帯に広く生息する。…

※「アカコロブス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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