アジアダラー(その他表記)Asian Dollar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジアダラー」の意味・わかりやすい解説

アジア・ダラー
Asian Dollar

広義にはアジア地域にある米ドル預金のことをさすが,一般にはシンガポールのアジア・ダラー取扱認可銀行に預託された非居住者外貨預金をいう。その市場規模は 1968年の発足当初にはわずか 3000万ドル程度であったが,91年には約 3900億ドルに上った。この取扱いについては,国際金融市場育成を目指したシンガポール政府が,国内取引と完全に分離されたオフショア勘定 ACUを設け,利子課税免除為替管理撤廃などの優遇策を講じている。

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世界大百科事典(旧版)内のアジアダラーの言及

【国際金融市場】より

…その結果,ドル金融をロンドンに奪われたアメリカは,非居住者間の金融取引に租税や為替管理上の特典を与えているオフショア・センターoffshore centerとして,1981年ニューヨークに国際金融ファシリティInternational Banking Facilities(略称IBF)を設立した。またオフショア・センターはバハマ,ケイマン諸島,パナマ,バーレーンなどがタックス・ヘイブン(租税回避地)として,またアジアダラー市場としてはシンガポール,香港が急速に発展してきている。1986年12月,東京オフショア市場Japan Offshore Market(略称JOM)も創設された。…

【ユーロダラー】より

…当初はヨーロッパの金融中心地で取引される米ドル資金を意味したが,現在ではより広くアメリカ以外の金融中心地で取引される米ドル資金をいう。たとえばシンガポールや香港などにおけるいわゆるアジア・ダラー,日本の東京ドル・コール資金,カナダの金融市場で取引される米ドル資金なども含まれる。同様に,このほかユーロマルク(ドイツ以外の金融中心地で取引されるドイツ・マルク資金),ユーロポンド,ユーロ円などがあり,ユーロダラーを含めてユーロカレンシーEuro‐currenciesと総称される。…

※「アジアダラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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