アジア・モンロー主義(読み)アジア・モンローしゅぎ(その他表記)Monroe Doctrine of Asia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジア・モンロー主義」の意味・わかりやすい解説

アジア・モンロー主義
アジア・モンローしゅぎ
Monroe Doctrine of Asia

アジアの平和秩序を維持する責任はアジア人のみがもっており,欧米諸国の干渉を許さないという主張。日本は満州事変以後中国に対する公然たる武力侵略を強行し,1933年2月の国際連盟臨時総会で日本代表の松岡洋右全権大使は,日本が過去から将来にかけて極東の平和と秩序と進歩支柱であると演説し,34年4月の天羽 (あもう) 声明では,列国の中国に対する共同行動はそれが財政的または技術的なものであっても,日本はこれに反対すると述べた。特にこの天羽声明は,欧米諸国から日本のアジア・モンロー主義であるとの非難を受けたばかりでなく,中国側の対日感情をさらに悪化させた。

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世界大百科事典(旧版)内のアジア・モンロー主義の言及

【天羽声明】より

…そこでは,日本の東亜における平和秩序の維持,排日運動の打破,列国の対中国共同動作への反対,列国の対中国策動には〈之を破壊する建前にて進む〉などが述べられてあった。指示は機密とされたが,4月17日天羽は最後の1点を除き,独断でこれを発表し,日本が〈アジア・モンロー主義〉を宣言したものとして,列国の激しい反発を招いた。アメリカの抗議に対し,外務省は天羽声明の趣旨緩和を弁明し,中国における門戸開放,機会均等主義支持を表明したが,その後の日本の行動は声明に沿う方向に進んだ。…

※「アジア・モンロー主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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