アストバリー(読み)あすとばりー(その他表記)William Thomas Astbury

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アストバリー」の意味・わかりやすい解説

アストバリー
あすとばりー
William Thomas Astbury
(1898―1961)

イギリスの生物物理学者。ケンブリッジ大学卒業後ロンドン大学のW・H・ブラッグのもとでX線結晶学の研究を始めた。1928年リーズ大学に移り、1930年、羊毛のケラチンのX線写真を撮り、α(アルファ)-ケラチンおよびβ(ベータ)-ケラチンの二つの異なる構造を提起した。これはその後、ポーリングのタンパク質のα-螺旋(らせん)、β-構造へと受け継がれた。1937年、ベルFlorence Bell(1913―2000)とともにDNA(デオキシリボ核酸)の写真撮影に初めて成功したが、そこにみられた3.34オングストロームのスポットは、明らかに規則性のある配列が存在することを示していた。そのほか、「分子生物学」ということばを用いたことなど、新しい分野の先駆者として、次の時代を準備した。

[石館三枝子]

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