アデニア(読み)あでにあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アデニア」の意味・わかりやすい解説

アデニア
あでにあ
[学] Adenia

トケイソウ科(APG分類:トケイソウ科)の1属名で、つる草、低木、多肉植物がある。アジア、アフリカに分布し、92種が知られる。アフリカ大陸やマダガスカル島の乾燥地に生える十数種は、茎の下部が著しく肥大した壺(つぼ)形や球形の幹を形成する。上部は漸次細くなり、長く伸びるつる性の枝を数本出す。葉は披針(ひしん)形から5裂した掌(しょう)状など、さまざまである。東アフリカ原産のグロボーサA. globosa Engl.は球状で灰緑色の幹をもち、径1メートルにもなる。ギニア産のキスサンペロイデスA. cissampeloides (Planch.) Harmsのつるはつぶして水中に流し、魚を麻痺(まひ)させ、浮き上がったのを捕らえる魚毒に、インドネシア産のコーディホリアA. cordifolia (Bl.) Engl.などのつるの繊維は耐水性があり、漁網に使われる。

[湯浅浩史 2020年6月23日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android