アドニアス・フィーリョ(読み)あどにあすふぃーりょ(その他表記)Adonias Aguiar Filho

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アドニアス・フィーリョ」の意味・わかりやすい解説

アドニアス・フィーリョ
あどにあすふぃーりょ
Adonias Aguiar Filho
(1915―1990)

ブラジルの作家。第二次世界大戦後のブラジル文学を代表する。故郷バイア、とくにカカオ栽培地方を舞台とした小説で名高いが、地方主義的な色彩はほとんどない。本能の命ずるがままに動き、運命に必死に刃向かう粗野な人々の存在のドラマを内省的、形而上(けいじじょう)学的に描いた。省略の多い、詩的な強さを備えた文体と、悪夢のような血なまぐさい暴力的な雰囲気はしばしばドストエフスキーフォークナーと比較される。国立図書館長、国立出版研究所長など要職を歴任し、文芸評論でも卓識をみせた。代表作は小説『死の従僕』(1946)、『四人の老婆』(1975)、評論『30年代のブラジルの小説』(1969)など。

[高橋都彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む