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本能 ほんのう instinct

翻訳|instinct

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

本能
ほんのう
instinct

種に特有な行動傾向で,生得的,定型的な特徴をもち,走性や反射に比べて複雑な運動のパターンを示すもの。本能の概念は歴史的に変化しており,従前は生得の行動能力を意味する実体的な説明概念であったが,最近では生得的,1次的動機づけ,またはそれらに基づいて解発される行動のパターンなどを意味する記述概念となってきている。

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デジタル大辞泉の解説

ほん‐のう【本能】

動物個体が、学習条件反射や経験によらず、生得的にもつ行動様式帰巣本能生殖本能・防御本能など。

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百科事典マイペディアの解説

本能【ほんのう】

動物がそれぞれの種に固有の個体保存・種族維持の目的に適応した生得的行動本能行動)を行うための内的な要因。本能行動は,原則として経験や学習の要素を全く含まず,一連の連鎖反応的性格をもち(生理学的には反射の連鎖によって説明される),融通性に欠けるため,環境の変化によっては事態に適応できない場合も生じる。

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デジタル大辞泉プラスの解説

本能

1966年公開の日本映画。監督・脚本:新藤兼人。出演:観世栄夫乙羽信子東野英治郎、小川吉信、島かおり、西内紀幸、伊藤くにえほか。第17回ブルーリボン賞助演女優賞(乙羽信子)受賞。

本能

日本のポピュラー音楽。歌は女性シンガーソングライター、椎名林檎。2000年発売。

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世界大百科事典 第2版の解説

ほんのう【本能 instinct】

一般には動物のそれぞれの種に固有で,合目的性のある経験を必要としない生得的な行動(すなわち本能行動)を生む内的な傾向ないし力をいう。ただし西欧語でも,その訳語としてつくられた日本語でも,その内容はきわめて多義的であり,定義は人によってさまざまに異なる。20世紀における生理学,心理学,動物行動学の発展につれて,この概念は大きく変化を遂げ,今日では厳密な学問用語としてはほとんど用いられなくなっている。
[本能概念の変遷]
 英語のinstinctがラテン語のinstinctusすなわち〈内から駆り立てるもの〉に由来したことからもうかがえるように,初期の用法は理性によって抑えがたい不合理な内的衝動というところに重点があり,〈理性的な思考〉に対する〈盲目の本能〉といった表現が用いられた(英語圏でのこういう用法は15世紀から始まる)。

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大辞林 第三版の解説

ほんのう【本能】

生まれつきもっている性質や能力。特に、性質や能力のうち、非理性的で感覚的なものをいう。
動物のそれぞれの種に固有の生得的行動。学習された行動に対していう。個体の生存と種族の維持に関係する基本的欲求・衝動と密接に結びついている。下等動物ほど本能に基づく行動が多く、昆虫の造巣行動のようにきわめて巧妙なものもある。 〔英語 instinct の訳語。西周にしあまね「生性発蘊」(1873年)にあり、西周の造語か〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

本能
ほんのう
instinct

種に特有な一連の生得的(遺伝的)行動の機制を意味し、本能に基づく行動を本能的行動という。反射reflex、動性kinesis、走性taxisも生得的行動であるが、反射はおもに身体の部分的行動をさし、本能的行動は全体的行動をさしていう。動性、走性は全身の行動であるが比較的単純な反応であり、これらからも区別される。また、反射、動性、走性は瞬時の環境状態に一義的に依存する反応であるが、本能的行動は、いちいちの反応が状況に可塑的に応答しながら固定した様式をもつ、一連の反応系列として現れる場合をさしている。[小川 隆]

比較心理学における本能的行動

当初、ダーウィンは本能の生得性について、経験によらない点を強調し、人および動物が幼児期に示す種に特有な行動の記述を重視したが、のちには行動が自然淘汰(とうた)の原理に従うという見地にたちながら、成長・発達と関係した習得行動との関連を無視できなくなっている。比較心理学は当然、本能的行動を扱ったが、その機制、また学習・習得行動との区別などについて二つの見解の流れがみられる。一つは、「モーガンの公準」Morgan's canonに従った機械論的見解で、本能を部分的な反射の連鎖chained reflexとして扱う立場であり、これはアメリカの行動主義に継承されている。行動主義では習得的学習行動が重視され、反射連鎖以外の生得性を行動に認めない傾向にあった。これに対し、経験から独立な本能の自発性を認めた立場がマクドゥーガルなどに代表される。この立場では、全体的行動はそれ以上分割されないものであり、本能はその機制を説明するものであっても、それ自身は説明されない概念として規定されている。マクドゥーガルは人間行動の推進力として、逃走、拒否、闘争、好奇、屈従、誇示、性、群居、暗示、同情、模倣など個人的・社会的行動にわたって十数種の本能を認めている。フロイトの精神分析にも同様の見解があり、結合を求める性本能エロスErosとこれを破壊する死の本能タナトスThanatosとが区別されている。
 しかし、たとえば動物が争うのは闘争本能があるからであるというのでは、同語反復であって説明にはならない。また、本能行動そのものの習得性が条件づけの実験から明らかになった。クオZ. Y. Kuoは、生後まもない子ネコを隔離して飼育し、親ネコがネズミをとるのを見せない場合と、通常に飼育し、これを目撃した場合とを比較し、成長後、ネズミを殺す行動が抑えられることを示したし、逆に、電撃条件づけを通じて、ネズミを恐れる行動を発生させることの可能なことを明らかにした。[小川 隆]

比較行動学における本能的行動

本能的行動の生得性・自発性についての実証的研究はヨーロッパを中心にローレンツ、ティンバーゲンら比較行動学者によって行われ、その生起条件が追究されている。たとえば、伝書鳩(ばと)の帰巣本能は半世紀前までは不可解であったが、現在は、刻々の太陽の位置と体内の生理的周期変化との連動した機制から説明されようとしている。
 比較行動学によると、本能的行動は反射の連鎖ではないが、しかも、一定の反応型fixed action patternを示し、これを解発する一定の刺激が存在する。たとえば、イトヨの雄の腹部にある赤い部分は、テリトリーteritory(縄張り)に入ってきた他の雄に対する攻撃行動を解発する。これを解発子releaser、記号刺激sign stimulusなどという。一連の本能的行動は、解発子が次々に定まった反応型を解発する系列とみられるが、これが可能になるために、生体の内部に生得的解発機構innate releasing mechanismが存在するからであると想定する。解発子は、二重の意味をもつことがある。イトヨは自らのテリトリーに入ったものを攻撃するが、同じイトヨが相手のテリトリーに入ると相手を見て逃走する。赤い腹部は状況によって攻撃・逃走を解発する。もし、二匹のイトヨがテリトリーの境界で出会うと、倒立した姿勢で砂を掘る転位行動displacement behaviorを生じる。解発子が遮断され、本能的行動が遂行されないと、解発子の閾値(いきち)が低下したり、解発子のない定まった反応型、すなわち真空行動vacuum activityが出現する。
 本能的行動は、解発子を選択・探索する欲求行動appetitive behaviorと終了させる完了行動consummatory behaviorとに大別されたり、内的要因に依存する固定性と外的要因に制御される可塑性とが区別される。解発子となるものが、生後、ある時期に任意に定まる場合があり、これを刷り込みimprintingという。たとえばアヒルの幼鳥は、生後数時間の臨界期に動くものを追う行動を示す。動くものは親鳥に限らず、他の動物、物体でもよい。
 本能的行動と習得的行動との関係は複雑で、これを確かめることが課題でもある。たとえば、鳥の発声は本能的行動であるが、幼鳥の隔離飼育を時期・期間を変えて行うと、習得の機会の相違によって発声の様相が変わることなども確かめられている。[小川 隆]
『N・ティンバーゲン著、永野為武訳『本能の研究』(1957・三共出版)』

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世界大百科事典内の本能の言及

【欲動】より

…S.フロイトによって用いられた精神分析的概念。本来ドイツ語のTriebの訳語であり,〈本能〉とも訳されているが,本能とは区別すべきである。フロイトは欲動を〈心的なものと身体的なものとの境界概念〉と述べ,心理学的な意識的体験としての〈欲求need〉や〈欲望desire〉に比して,生物学的な基盤を考慮した概念として用いる一方,〈本能〉よりは心理的な概念として用いている。…

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