アバンガン(その他表記)abangan

改訂新版 世界大百科事典 「アバンガン」の意味・わかりやすい解説

アバンガン
abangan

あまり熱心でないイスラム教徒を指すジャワ語。熱心なイスラム教徒が白衣を着るため,彼らをジャワ語で〈白衣を着る人wong putihan〉と呼ぶのに対して,あまり熱心でない信者を〈赤衣を着る人wong abangan〉と呼ぶことから生じた言葉である。そのため,中部ジャワでは人をおとしめるニュアンスをもつ。この民俗概念からアメリカの文化人類学者ギアツが次のような分析概念を構成した。すなわち,アバンガンとはアニミズム的要素,ヒンドゥー・仏教的要素,イスラム教的要素からなるジャワの重層信仰(シンクレティズム)のうち,アニミズム的要素を強調する文化類型で,その担い手の社会層は,中・東部ジャワの農民層であるとした。しかし,この文化類型と特定の社会層との選択的親近性の存在に対しては異議を唱える論者も多く,彼らはアバンガン宗教意識はいずれの社会層とも結びつくと主張している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ユーラシア大陸、北アメリカ大陸北部に広く分布し、日本では北海道にエゾヒグマが生息する。成獣は体長2メートル以上、体重300キロにもなり、日本最大の陸生動物として知られる。雑食性で草や木の実、サケ、シ...

ヒグマの用語解説を読む