アフリカウスイロイルカ(その他表記)Sousa teuszii; Atlantic hump-backed dolphin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフリカウスイロイルカ」の意味・わかりやすい解説

アフリカウスイロイルカ
Sousa teuszii; Atlantic hump-backed dolphin

クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科ウスイロイルカ属。体長約 2.8m,体重約 284kgに達する。出生体長は推定約 1m。体色は背部および体側が赤茶灰色で腹部は淡い明灰色である。背部中央が目立って盛上がり,体高が高い。噴気孔は1個で頭部正中線上にある。嘴 (くちばし) が長く,長さは体長の6分の1に達し,前頭部との境目は明瞭である。尾柄部の上下にあるキール (稜状の隆起) は著しい。背鰭 (せびれ) は小さく,体の中央に位置し,形は個体変異に富んでおり,後縁は垂れる。上下顎骨に円錐歯が左右 27~31対ある。5~7頭の群れで行動することが多いが,まれに 25頭以上の群れをなす。繁殖期は3~4月と推測される。おもに岸辺で群集性魚類を捕食する。分布は西アフリカの亜熱帯海域でモーリタニアからカメルーンにかけて出現し,河口域,沿岸域のほか,内陸の河川域に生息する。モーリタニア沿岸では,漁師が本種やバンドウイルカと協力し,巻網ボラを捕えることがよく知られている。

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