日本大百科全書(ニッポニカ) 「アブラミミズ」の意味・わかりやすい解説
アブラミミズ
あぶらみみず / 油蚯蚓
環形動物門貧毛綱アブラミミズ科Aeolosomaのミミズ類の総称。皮膚の中に紅、黄、緑色などの油滴が含まれるためこの名がある。体は小さく2~10ミリメートル。体節のくぎりは不明瞭(ふめいりょう)、各種の器官の発達も悪い。有性生殖を行う種類はまれで、ほとんどの種類は無性生殖で増殖する。全般的にみて、きわめて原始的なミミズの一群と考えられる。生活場所は水中で、池沼、溝、河口などにみられ、地下水や上水道や水槽で発見されることもある。体節に生じる剛毛を使って水底をはい回る。世界には約40種、日本からは、世界共通種のベニアブラミミズA. hemprichi、ヤマトアブラミミズA. japonicaなど4種が知られる。
[大野正男]