アプーリア公国(その他表記)Duchy of Apulia

山川 世界史小辞典 改訂新版 「アプーリア公国」の解説

アプーリア公国(アプーリアこうこく)
Duchy of Apulia

11世紀半ばにノルマン人によって南イタリアに建てられた公国。内陸部の町メルフィを拠点に,ビザンツ帝国支配下にあった南イタリアを征服して,勢力を拡大した。公ロベルト・グイスカルドのもとで最盛期を迎え,アマルフィ公国,ベネヴェント侯国サレルノ侯国を吸収し,1085年にはビザンツ帝国イタリア最後の拠点バーリを陥落させ,南イタリアの大部分をその支配下に置いた。しかし,息子ルッジェーロ・ボルサの時代には支配域が大幅に縮小し,孫のグリエルモの時代には公の権威が失われ,都市や諸侯が独立割拠する状況となった。グリエルモの死後,公位はシチリア伯ルッジェーロ2世に継承され,公国はその後ノルマン・シチリア王国の一部となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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