日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロベルト・グイスカルド」の意味・わかりやすい解説
ロベルト・グイスカルド
ろべるとぐいすかるど
Roberto Guiscardo
(1015ころ―1085)
ノルマン出身の騎士で、南イタリアの征服者。フランス名ロベール・ギスカールRobert Guiscard。オートビル家のタンクレーディの子。1040年ころイタリアに移住。初めカプア伯に傭兵(ようへい)として仕え、やがて兄弟とともにイタリア半島南部の征服に乗り出し、この地のランゴバルド領とビザンティン帝国領を次々に征服。59年には教皇への服従を誓い、「プーリア、カラブリア、シチリア公」の称号を与えられた。71年にはバーリを占領し、ビザンティン帝国の勢力を南イタリアから追い払うことに成功した。さらにコルフ島へ軍を進め、ギリシア本土の征服をも企てた。また、弟のルッジェーロ1世Ruggero Ⅰ(?―1101)のシチリア征服を援助し、南イタリアのノルマン朝の基礎を築いた。
[清水廣一郎]