化学辞典 第2版 「アミノ酸分析」の解説
アミノ酸分析
アミノサンブンセキ
amino acid analysis
タンパク質を構成するアミノ酸の分析法.このタンパク質には,動物,植物の成長や健康維持のために摂取する必要な必須アミノ酸や,生体内の血清,尿中にも含まれる多種類のアミノ酸がある.アミノ酸は水溶液中では(+)の電荷を帯びている.この電荷の量は個々のアミノ酸によってすべて異なる.強酸性イオン交換樹脂は水溶液中ではつねに(-)イオンの電荷を帯びている.そこでイオン交換樹脂を詰めたカラム(イオン交換クロマトグラフィー)にアミノ酸混合物溶液を注入すると,アミノ酸とイオン交換樹脂との間に,親和力の一種である静電的引力が作用し,各アミノ酸の電荷の量の違いが溶出時間の差となって現れ,電荷の小さいアミノ酸から順にカラムの下端から溶出する.分離・溶出されたアミノ酸は逐次ニンヒドリン試薬,オルオレサミン,o-フタルアルデヒドなどの蛍光試薬により発色させ,それらのピーク面積から定量する.この方法で46成分のアミノ酸が分離できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報